稲荷神を祀る神社を稲荷神社(いなりじんじゃ)と呼ぶ。京都市伏見区にある伏見稲荷大社が日本各所にある神道上の稲荷神社の総本社となっている。 稲荷と表記するのが基本だが、稲生や稲成とする神社も存在する。稲荷神を祀る、赤い鳥居と白い狐がシンボルとなっている神社として、広く知られている。

稲荷神(稲荷大神、稲荷大明神)は、山城国稲荷山(伊奈利山)、すなわち現在の伏見稲荷大社に鎮座する神で、伏見稲荷大社から勧請されて全国の稲荷神社などで祀られる食物神・農業神・殖産興業神・商業神・屋敷神である。また神仏習合思想においては仏教における荼枳尼天が本地仏とみなされ、豊川稲荷を代表とする仏教寺院でも祀られる。

神仏分離の下、神道の稲荷神社では『古事記』、『日本書紀』などの日本神話に記載される宇迦之御魂神(うかのみたま、倉稲魂命とも書く)、豊宇気毘売命(とようけびめ)、保食神(うけもち)、大宣都比売神(おおげつひめ)、若宇迦売神(わかうかめ)、御饌津神(みけつ)などの穀物・食物の神を主祭神とする。

総本宮である伏見稲荷大社では宇迦之御魂大神を主祭神として、佐田彦大神、大宮能売大神、田中大神、四大神とともに五柱の神として祀るが、これら五柱の祭神は稲荷大神の広大な神徳の神名化としている。

日本にある稲荷神社は6万社を超えるとも言われており、屋敷神として企業のビルの屋上や工場の敷地内などに祀られているものまで入れると稲荷神を祀る社は数えきれないほどの数になる。江戸時代になると、江戸に多い物は火事と喧嘩に加えて「伊勢屋、稲荷に、犬のくそ」とまで言わるようになった。本来は穀物・農業の神だが、現在は産業全般の神として信仰されている。

伏見稲荷大社が総本社となっているが、宮城県、栃木県、愛知県など全国に広がっており、東日本のほうが多く信仰されている。たとえば武蔵国国府所在地においては、明治初期に市内に6ヶ所で稲荷神社が祀られており、市内の家々の屋敷神は566件にも上る[7]など、多摩地域においては顕著である。



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